1.法事とは?目的と行う理由

住職からの一言

2025.10.12

1-1 法事の基本的な意味

法事とは、故人の冥福を祈り、命日やその節目となる日を迎える際に行う仏教的な儀式です。追善供養とも呼ばれ、遺族や親族が集まり、僧侶による読経や供養を通じて故人を偲びます。本来は仏教の教えに基づく行いですが、日本では宗派にかかわらず一般的な慣習として根づいています。法事には、心を込めて亡き人を供養する意味があると同時に、遺族同士の絆を確認する機会としても大切な行事です。

1-2 法要と法事の違いとは

よく混同されるのが「法要」と「法事」の違いです。法要は、僧侶を招いて行う読経や儀式そのものを指します。一方、法事はその法要に加えて、会食(お斎)などを含む一連の供養の総称です。つまり、法要は法事の一部といえます。実際の場面ではあまり厳密に区別されないことが多いですが、知識として理解しておくと混乱が少なくなります。

2.法事は何回忌までやる?基本スケジュール

2-1 年数ごとの法事一覧

法事は初七日(亡くなって7日後)から始まり、次に四十九日(忌明け)、百か日、一周忌、三回忌、七回忌と続きます。以降、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌などがあります。仏教の宗派によって違いはありますが、三十三回忌までが一区切りとされ、以降は「弔い上げ」として供養を終える家庭が多いです。

2-2 簡単チェック表で早わかり(曹洞宗の場合)

年回忌時期(亡くなってから)
初七日7日後
四十九日49日後(忌明け)
百か日100日後
一周忌1年後
三回忌2年後
七回忌6年後
十三回忌12年後
十七回忌16年後
二十三回忌22年後
二十七回忌26年後
三十三回忌32年後(弔い上げ)

※地域や宗派によって異なる場合があります。

3.それぞれの回忌法要の意味

3-1 代表的な回忌の意味と特徴

法事の中でも特に重視されるのが「一周忌」と「三回忌」です。一周忌は故人が亡くなってから最初の年忌で、遺族や親しい人々が集まり丁重に行われます。三回忌は数え年で3年目を迎える年であり、故人を偲ぶ大切な節目。それ以降の回忌(七回忌、十三回忌など)は地域や家族の方針によって丁寧に行われます。

3-2 三回忌・七回忌以降の扱い方

三回忌以降の法事は、参列者の人数が減る傾向があり、家族や近親者のみで執り行われることが増えてきます。七回忌や十三回忌では、法要の後に会食を伴うこともありますが、僧侶に依頼して読経のみ行うケースも珍しくありません。弔い上げとされる三十三回忌は、故人の魂が完全に成仏したとされ、個人としての供養が一段落する節目となります。

※地域によっては五十回忌を弔い上げとする場合があります。

4. よくある質問と対応マナー集

4-1 法事に呼ばれた場合のマナー

法事に参列される際は、服装や香典、遅刻の有無など、マナーを守ることが大切です。服装は黒を基調とした喪服が基本ですが、回忌の年数が進むにつれて略式礼服でも問題ありません。香典の金額は地域によって差があるものの、親族は1万円~5万円、友人・知人は5千円〜1万円が一般的です。案内状に明記されている場合は、その内容に従うと安心です。

4-2 法事を主催する側のポイント

施主(主催者)は、日時や場所、僧侶の手配、案内状の送付など、準備すべきことが多くあります。参加人数に応じて、会食や引き出物の準備も必要になります。最近では、お寺や法事専門の会館を利用するケースが多く、事前の相談がスムーズな法事につながります。また、無理のない範囲で「心のこもった供養」を行うことが最も重要です。

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